絵本のような装丁のスリーブ。
「僕たちは曲作りをしている時も演奏している時もメランコリー(哀愁/もの悲しい気持ち)を感じている。
メランコリーには希望がある、気分が落ち込んでいても、何か内に秘めた暖かいものが感じられる。僕たちの音楽もそうなんだ」
シガー・ロスを聴いていて涙が自然と出てくるのは、それはノスタルジアや切なさというより未来への希望と現在の喜びなのだろう。
それも、陰影のないのっぺりとしたポジティブソングとしてではなく、悲しさや苦しさも内包した希望として。
今、ここまでに美しく力強い音楽を奏でるバンドはシガー・ロスしかいない。
私はアイスランドという国がとても好きではあるのだけど、音楽とは全く関係なく好きできてシガー・ロスもたまたま好きになったらアイスランドのバンドだっただけなのが、今回のこの4枚目の(もうそんなになるのか)アルバムを聴いて初めて私の好きなアイスランドとシガー・ロスが同じ地点に存在しているのに気が付いた、やはり自分が惹かれるものというのはきっかけが別であれ、根本のところでつながっているものなのだと。
「アイスランドは小さな国で、人も少ないから空間がたくさんあるんだ、そこからインスピレーションを受けるっていうのが大きいかな、周りの人たちのとの距離感というかね、他の国からも遠いし(中略)外からの影響がない分、独創的になれるっていうね...」
空間や距離感を日頃感じられない日本で生活している私たち。
想像力が日に日に退化してゆくようで、不安になる。
アイスランドで暮らしたい。